(※ こちらの記事は、2017/4/23 の投稿です)
前田イズムを再認識した一日でした。
平成元年、徳島大学を卒業した私は、大阪大学 歯学部補綴科の門をたたき、前田芳信先生の研究室に配属させていただきました。ここから私の歯科医師としての人生がスタートします。当時、師匠は同科の講師であられ、私はひたすら師匠の後をついてゆく毎日。臨床、学生教育、研究の3本を見様見真似で取り組んでいきます。といっても、最初は大したこともできるはずもなく、四苦八苦の毎日です。しかし、師匠は、放任するのではなく、グイグイと不出来な私を引っ張り上げて下さいます。
このペースで書くと長編小説になりますので、
割愛いたします。
6年間同科に在籍し師匠にお世話になった私は、師匠の元を去り、開業をします。その後一昨年(平成25年)まで、師匠には会わないようにしました。師匠は私が同科を去ったあと間もなく教授につかれ、そして病院長にもつかれ、長きに渡り世界的トップレベルの研究者の地位を不動のものにされました。
左が師匠
そんな前田師匠の退職記念パーティーが「これからの欠損補綴について語ろう会」と題して、中の島ロイヤルホテル大広間で盛大に行われ、出席させていただきました。
宴も進行し、前田師匠が各テーブルを回られ出席者にねぎらいのお言葉をかけられます。自分のテーブルに来られたら言うセリフをいくつか頭の中で用意し待つ。そして、私のいるテーブルに師匠が来られる。師匠と目があった。と同時に私は咄嗟に握手され、私が発した言葉といったら、
「相変わらず(握力が)強いですねぇ」の一言。
(500人越えの出席者のため一人一人の時間はない。)
なんでもっと気の利いたセリフ言えなかったのだろう。「長きに渡りお疲れさまでした」とか「これからもどうぞご指導、ご教授ください」とか。用意してたのに。
今日のこの握手で、忘れかけていたものを思い出させていただきました。
師匠に感謝。